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セミナーD
「デジタルアニメーションが未来を変える


石川光久((株)プロダクション・アイジー代表取締役)
奥野敏聡((株)オー・エル・エム代表取締役)
真木太郎((株)ジェンコ代表取締役)
コーディネーター:萩野正昭((株)ボイジャー代表取締役)

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■SeminarD


奥野敏聡氏(左)、石川光久氏(右)

●石川:プロダクション・アイジーの石川です。アイジーで作った作品は、まずゲームのアニメーションを提供している作品多く、年末だと『ヴァルキリープロファイル』『エースコンバット3』、今作ってるのが『テイルズオブエターニア』『サクラ大戦』とかです。ゲームとしても認知されている作品に対してアニメーションを提供してるのが一つと、後IDというのは映画が主体なんで、今年6月に公開される『人狼』です。
後フルデジタルの作った『ブラット』という作品、このフルデジタルというのは今の時代にすごく合ってるんで、結構露出が大掛かりな仕掛けで今動いてますので楽しみなのと、もう一つ、ガイナックスが、『エヴァンゲリオン』ということで、巷で違う話題でいろいろ騒がれましたので、やっぱり新作創ろうということでフリクリというOVA、DVD30分6本シリーズで今作ってます。そのあたりが今年のアイジーにかかる作品ですね。

●奥野:オー・エル・エムの奥野です。OL的には『ポケモン』1本絞りになってますんで、今年の7月に2週目から第3段の劇場と、テレビシリーズとそれをメインにひいひい言いながら作っています。デジタル的にいうと、去年大体16分位 のデジタル部分が本編の劇場で今年は30分近くになるということで、ターゲットが我々の『ポケモン』の場合は低いんで、その余りマッチングだとかは考えずに、ビーブキャンパスもどきとかやれるとこだけやって、経験とチャレンジで来年再来年とどんどん高度なものにいっていきたいな、というようなところですね。取りあえずチャレンジをするということを前提にポケモンを作っています。

●真木:ジェンコの真木と申します。「デジタルアニメーションが未来を変える」というテーマですけども、私は石川さん、奥野さんと少し立場が違いまして、彼らはいわゆるアニメーションのスタジオというプロダクションの経営者であるわけですけども、私の場合はどちらかっていうとビジネスが主体です。内の会社にプロデューサーはおりますけれども、現場のいわゆるアニメの監督とか、アニメーターとかは所属しておりません。経歴としては元々映像業界全般 いろんなことしてましたので、いわゆるビデオの現状ですとか、映画の配給の現状ですとか、それから映画に対する宣伝ですとか、そういったことを主に手がけてまして、作品的には石井さんの『パトレイバー』であるとか、或いは実写 で石井聰互さんの『エンジェルダスト』とかそういうことを手がけてましたけども。
そういった意味で、石川さん、奥野さんというような、現場のプロデューサーと組んでトータルの映画ビジネスプロデュースしていくという立場なので、ちょっとデジタルアニメーション云々に関しては、多少門外漢のところがありますので、私の発言は違う角度からお話することになると思います。最近作としましては、今2本映画を製作しておりまして、1本は『千年女優』というこれは『パーフェクトブルー』の 今 敏 の最新作を作っております。もう一つは、『パルゴの木』という映画も作っております。どちらも余りデジタルと関係ないですけども、最新作としては、2本で後でビジネス的に触れるところがあれば、それはビジネス的な特徴もお話したいと思います。

●石川:この業界に入る人は、映画がすごい好きだっていう共通点があり、私もやっぱり22の時、学校を卒業するときに何をしようか迷って、偶然に近い形でタツノコプロダクションに入ったのがきっかけです。自分にも言い聞かせてるんですけども、よく学生時代に自分にこの夢があってこれをしたいっていう人は色々いると思うんですが、結構漠然と悩んでる人が結構いると思うんです。自分に何が向いてるとか、それを自分の経験からいうと、結構そのどの世界に入っても、入った世界で自分を如何に出すか。その中でプロですから、何でお金が取れるんだということを考えて積み重ねると、これが一つ一つの積み重ねが、山昇るのと一緒に見えないものが見えてきて、映画作るのは何処へ行ったら良いのかというのが確実に見えてきます。
それが今のプロダクション・アイジーを築いてきたし、タツノコプロという大手のアニメ会社から独立してもう13年経ちますけども、今思うとやっぱり過去の事はほとんど全く真っ白で、作った物とか築いた物に関しては全然興味なくて、基本的にこれから作ろうとする物、今これから考えてる物はすごい楽しいって、すごくこれがわくわくするんだよね。やっぱり感動与えるのに自分がわくわくしてないと、しぼんじゃうので。わくわくすることは、自分に対しても、フイルムを出していくに対しても、すごく重要じゃないかなと、そういうことだと思います。

●奥野:映像とか音楽とか権利関係を押さえながら枝葉を伸ばしてゆくという事業をやっていた企画会社に11〜2年いたんですけれど、独立するときに、プロデュース会社を作るのがいいのか、その制作工房を作るのがいいのかということを考えて、力がなかったものですから、前の会社でアニメーションをやってたもんですから、アニメーション工房を、きちっとしたインフラと制作管理を考えていくと、いけるかなと思ったんです。プロデュース会社はやっぱりものすごいお金を後ろに背負ってないと、自分とこの制作作品を次々と何年間に渡って出していけないというジレンマの中で、じゃあ日本一の工房を作ってみたいなあというところでアニメーション会社をつくったんです。

 
 

真木太郎氏(左)、萩野正昭氏(右)

●真木:東北新社というところで、映像、映画に関して、いろんなこと、よく言えば百貨店みたいなとこでいろんなことをやってましたので、その中で相当映像に関していろんなことやって、いわゆるビデオソフト時代が17、8年位 前からスタートしました。そこからずっとビデオソフト時代ですから、そういう中で、洋画があったり、実写 、日本映画があったり、アニメーションがあったりしてという経験をしていって、移った次のパイオニアLDCという会社で同じようなことやっていきながら、アニメーションで『天地無用』というシリーズをやってまして、これがビデオだったり、テレビだったり、映画だったり、出版だったり、ゲームだったりといういわゆるマルチユースということに展開して、自分の中でも初めてビジネスとして幾ら儲かった、幾ら使ってというビジネスの構造があるんだってことを実体験しました。写 がそうでないとは言いませんけもど、やはりアニメーションというのは、どうしてもパート2だったり、関連商品だったり、テレビ、映画、ビデオというメディアをうまく使い分けることが出来たりと、そういう一つの面 白さみたいなところから、最近はなんとなくアニメだけをやってるという形ですね。
アニメだけってことではないんですが、とにかくデジタル、アナログ含めて、やっぱりアニメと実写 のその境界線もかなりボーダレスになってるし、それから目指してる方向というのも、アニメーションとは元々子供のものだったり、或いは特殊な非常にマニアック、マニアというか指向性の強い人々のものだったんですけども、やっぱりもう少し広い意味での映画ということでの土俵に、アニメーションの土俵にうまく登らせたいなというのが、プロデューサーとして今のとこは考えますね。

●萩野:私は映画会社の出身なんです。映画の製作から入った人間なんですけども、映画を作るということだけ、カチンコ叩いて、そういう生活。そういう一時の映画界というものがあった。そういうものから比べると、権利というような言葉、それからビジネス、それからどうやって儲けるかとか、非常にビジネスということを、単純に作るということだけじゃなく、非常にパースフェクティブ的に視野に入れて、物事は発想されてくる映画製作の人達のジェネレーションというのか、そういうのがあると思うんです。
これは皆さんにとっても当たり前のことになってるから、もう問題ないんですけども、敢えて指摘すると、日本の映画の歴史の中からすると、非常に新しい考え方だと思うんです。これが、今ビデオとか、新しいいろんなメディア。放送でも、衛星放送とかそういう新しいメディアが出てくることによって、こういう観点が出てきて、それとアニメーションというクリエィティブな世界というのが、なんかうまく総合浸透し始めているんじゃないかという感じがちょっとするんです。
それで先程石川さんの方からガイナックスのフリクリというのが出るっていう話をちょっと話されたんだけど、これなんかもびっくりしちゃう話なんです。『人狼』の話がちょっと出ましたですよね。「人狼」に関しては6月公開ですか? その『人狼』について幾つかデモのテープも見て貰いたいと思います。

●石川:この予告のすばらしいのは、やっぱりこのトレーラーを作った演出編集の掛須さんという人がいるんですけども、今回eAT金沢のプロデューサーをしています。彼の力っていうのは、やっぱり人だと思います。編集としての腕が良いかどうかは、ちょっと僕も分からないとこありますけども、人としては、プロデューサー能力としては人の集める能力とか、魅力は証します。彼の人徳なくして、今回のこれだけのメンバー集まらなかったと思います。だから、掛須さんがポスプロを支えたのもあるし、やっぱり撮影、監督とかのセクション、セクションのみんなすばらしかったなあっていうのが「人狼」という作品であったし、これは、20世紀で最後のアナログの作品としても最強だと思いますね。
ほんとに質が高いと思います。それで去年、監督と一緒に海外の映画祭廻って、反響を直に感じて、映画祭でもポルトガル、トロント、日本では毎日映画コンクール、夕張映画祭等で賞を頂いて、ベルリン映画祭にもパノラマ部門で招待されたり、すごい評価高いですから、是非見て欲しい作品が「人狼」です。

●真木:いろいろ流れがあって『攻穀機動隊』という作品が、アイジーという会社を変えたなあと思いますね。というのはやっぱり海外の評価がすごい高いっていうのは、いろんな面 で作品というのはいろんな現場も変えるんだなあって。『攻穀機動隊』って作品の部分的にコンピューターを、インファースでなくてオムニバスジャパンというCG専門のCGの素晴らしい会社がある、そこに頼んんだんです。今後映画作るんではインハウス、中で作ろうっていうことで、アイジーが、『攻穀』終わった後に、二つラインがあったんです。
アナログで『人狼』をまず手作業でセルで今まで撮影技術持って、これをとことんやろうっていうのが『人狼』という作品。それと対極にフルデジタルでアニメーションを作ろうってラインがあって、今はもうセルとその部門はないです。アイジーにはセルの部門もなければ、撮影もディレクションも3Dもチームも全部社内におくという体制を整えたんで、そういう意味でもアイジーとしても、フイルムでセルでつくる、撮影用でつくるという作品は『人狼』が最後の作品になった。もう違う意味でもうこんだけ内容的にも、このメンバーでこれだけの力量 でこれだけの質物を出来るっていうことは、ほんとにないと思います。

●萩野:これから話を進めていく上で、いろいろデジタルの話が出てくると思うんですけれども、非常に重要なポイントだと思うんですね。このプロダクション・アイジーというのは、アナログで何処まで出来るかっていう事を、とことん試みたってことですよね。
今フルアニメというか、アナログ調アナログ作品の『人狼』というトレーラーを見て頂いたんですけども、去年から今年にかけてもう一つ日本のアニメーションの中で大きな事件というか、大きな出来事があったと思うんです。例のポケモン旋風ですよね。アメリカで大変な人気を博して、もちろん日本でもそうですけど、非常にビジネス的にも、インパクトあるお仕事をされたと思うんですが、そのポケモンとそのデジタルとの関わり合いというか、接点というか、そういうものも含めてこの『ポケモン』に関わるお話を頂けないでしょうか。

●奥野:日本で公開した部門とアメリカの公開した部門と約1年間位時間があって我々その前に*ぶぎあ*っていう日本名を作っていて、そこでは1本目出来なかったこと多少技術的に入っていて、時間とお金のバランスの中で、ある短い時間で安い費用で、ある尺を作れるっていうふうなところに見えて来たもんですから、どうせアメリカへ行くんであれば、ということで、プロジェクトのご理解頂いて、そのディメークする費用が出たもんですから。
アニメーション本当に原画とかスケジュールのところでインハウスをしてないと、外注に出したときに、スケジュールのずれ等を含めてなかなか難しいもんですから、我々有名なスタッフを掴まえたわけでもなく、ピックアップした人間と、それプラス何人かで完全内製をしようということで、その稚拙なところから少しずつ。見て頂くと大体そういう状態になってると思うんです。
プロデューサーとして、これは直した方が差が出るとか、そのクレーターの思い込みと違うところでカットを設定しますんで、そこにはその本人の中に、これをやったときに一緒にこのレイアウトチェックして、こうやって原画をチェックしたときにこう直してというやり取りを二人なり三人そういうチームワークで作って来たところを、「これいきますから」言うふうにやるもんですから、確実に抵抗あるんですけれど。それは例えここで、彼女の思ったようにいかないとしても、次ぎ次ぎといったときに、今やらなければ3年後はないというような、大げさなことを言いながら、納得して頂くということになる。

●萩野:技術的な事をそれぞれのシーン、シーンでどういう施しをしたかというようなことも出て来たんですけども、デジタルということとは離れるとは思いますが、やはりアメリカへ出て行っての反響というのか、それはやっぱり非常に社会的な、まあ事件ということとしても非常に大きかったんじゃないかと思うんですよね。
今日の趣旨からちょっと外れるかもわからないけれども、ビジネスの問題っていうのは大きな問題が常に付きまとってあるんで、このポケモンのアメリカ進出ということの効果 っていうことかな、ぶっちゃけて言えばどの位儲かっちゃったのよとか、そういうものまで含めてちょっとなんか下世話で申し訳ないけども、可能な限りちょっとお話出来たら、して頂けたら有り難いと思うんですけれども。

●奥野:多分爆裂してるのは、僕の方でも正確に把握は出来ないんですが、マーチャンという問題、商品化権という問題があって、そのへんをいくと結構世知辛くなったりするので、映画興行っていうところに絞ってお話しします。『ミューツーの逆襲』第1本目日本では43億円の配給収入があって、これは一昨年の日本の歴代6位 とか7位とか、『踊る大捜査線』が入って来たんでもうちょっと落ちてきたかもしれないですけど、その位 の物でアメリカに持って行った去年11月からスタートして北米で85億円の興業収入です。ですから日本の場合とちょっと違うんで、グロスの契約とかというところで言えば、劇場の取り分とか、現場としての取り分とかで多少違うんですけれども、大体半分が配給収入だと思って頂ければ。
ただ、アメリカに行く間に人が一杯入りますので、日本に入ってくるお金でいうと、たいして入ってない。具体的な数字をいうとですね、これ、劇場とか、総括していうとですね、ビデオがアメリカで1,200万本リリースされている予定になっていて、これはざっくりと昨日の出資者会議の話ですが、トータルその全米、ヨーロッパ、ビデオ収入を含めると、日本に入って来るピカチュウプロジェクトに入って来るお金は大体、どの程度で言って良いのかわかんないですけど、何10億かという数字になるかと。50億はいかないまでも、ビジネス的には、日本でのトータルのビジネスよりも世界のビジネスの方がでかくなってるというのが現状だと思います。

萩野:『攻穀機動隊』も向こうの一位にぽんと上がったりなんかして、時々こういう現象が出てくるようになって来ましたよね。

●奥野:ただ騒ぐだけで、公開3日間ナンバーワンとか良くあるそうですけど、もう1週間目には・・・。宣伝するときには、1番良いところだけ切り取ってやりますからそれが日本に入って来ると、全米ナンバーワンで入ってくるんですけど、そこには必ず条件がついていて、アニメーションの3日間ではナンバーワンだけとかね、その次『007』が来ると、それに乗り換えしたりしますんで。

●萩野:僕らも、日本で配給するときによくやりましたよね。全米ナンバーワンってやるんですよ。そしたらさすがにやっぱりいろんな人がいて、しかしこの間の新聞にも何とかって映画が全米ナンバーワンと書いてあって、絶句するときもありますからね。でも確かに、それでもこういう形を作って、何10万にしろ向こうから収入があるっていうことは、やっぱり非常にびっくりすることだったと思うんですよね。 奥野:ビジネスの考え方変わるんですよね。物の作り方のコンセプトが変わるんだと思います。有効に、それをどう次ぎに繋げるかという、そのお金だけでいえば使い方ですし、ただ内容的にいうと、その我々もそのプレミアを見に行って、子供達が何処で喜んで、日本とどう違うのかっていうことを見ると、日本で見せたときにお客さんが反応するのとほとんど変わらないです。
それによって作り方が変わるとか、バジェット期間が変わるかもしれないですけども、作るマインドというのは基本的に変わらない。我々は最初にポケモンを作って、世に出した時と同じように、アメリカであろうが何であろうが、あまり意識せずに日本語は使わないとかその位 の配慮はしますけども、ストーリー的に、なんかアメリカの為に考えるっていうようなことは極力ないように。ただ向こうは勧善懲悪で悪い奴、良い奴と見て、決めつけて見るというところは傾向的にありますけれど、余り気にせずに日本のコンテンスが外へ出て行けるような気がします。まあキャラクターというものに限って言えばですけども。

●萩野:ビジネスのお話が幾つか出て来た。ここでビジネスに詳しい真木さんに、日本でアニメーション、テレビの物だとか、オリジナルビデオで作られている物とか、劇場公開だとか、それから最近は非常に複合的になってきて、ゲームと一緒にやっていくとかいうようなこともありますけども、そのビジネスのパターンというか、どんなお金が掛かってて、どの位 のその収益を上げていって、作る側にどの位の還元がされていって、というような大枠で結構です。そんな細かくじゃなくて、皆さんそのこと知っといた方が絶対よく物事の理解に役立つと思うんですよね。

●真木:具体的な数字で示したら恐らくお分かりになると思いますけど、アニメの制作費1本幾らといってもあんまりぴんとこない。例えばテレビでいうと、30分のアニメーション、テレビのアニメーション『ドラえもん』1本1千万、1千万というとなかなかぴんとこない。映画によってはね、何億当たり前って『人狼』だと4、5億位 ですかね。5億ってもっとぴんとこないですよね。ですから余りそういうことでなくて、例えば、さっきの奥野さんの話でビデオがアメリカで1,200万本、日本だと35万本位 。ディズニーだと100万本越えるか越えないか日本でも。
例えば『人狼』ってこれは先の話ですけども、DVD含めて15万本位? 或いはさっき僕が言った『天地無用』は5万本位 といって、結局5万人の人が買うんですよね。或いは『エヴァンゲリオン』っていうのは10万本、10万の人が買う。これはすごくヒットなんですね。売れないものっていうのは、1,000本とか2,000本あるわけですから、やっぱりビデオっていうのは、DVDみたいに皆さん買うものと、それからレンタルショップに行って借りるものとの違いはあるわけですけども、意外と数でいうと、1万とか2万とかいうと割と少ない人、本数で市場が廻っちゃうような部門がありますよね。
日本での『ポケモン』の45億円というと、何人の人が見たかっていうと、700万人が見た。というと相当の人が見た。今子供っていうのは、1つの年齢で今少ないから100万ちょっと位 ですかね。120万人位かな。でお父さんお母さん一緒に来るとしても、700万人の日本人が、日本人が700万人来るっていうことは、これは大変な数ですよね。比べて見たときに、例えばなんでしょうね。車で一番売れてる車っていうのが何台売れてるかっていうと、それも多分車種とか、色とかクラスで分けていくと、一つの物はそんなに売れてないはずなんで、そういった数字で見ると、実はアニメーションというか、映像、日本全体の映像がそうなんですけども、結構好きな人の周りでお金が廻ってる、数字が廻ってるということがありますよね。

●萩野:例えば『ポケモン』が日本の劇場で上映されて、700万人の人が見て、収入として43億円、収入っていうのは、プロダクション側、配給及びプロダクション側に入ってくるお金として、43億、劇場がとるお金はちょっと別 に。市場価格って言い方すればその倍ですから。40億円位入ってきて、その中で劇場の宣伝とか、それからプリントを焼くとか、もちろんそれに纏わる制作費とかそういう物も解消してゆく。その残りが利益になっていくという構造なんですよね。43億円あれば、十分計算成り立ちますよね。これがさっき真木さんが言ったみたいに、1万本とか、『天地無用』は何万本?『天地無用』って何巻もあるんでしょ? 1本だけだったら厳しいけども、何卷もあるとそういうものの累積で、相当なプラスになったんじゃないかと、その辺のことが非常にアニメの活性化というのか、確実に何万の人達が変えれるような構造っていうのが出来てくると、これは一つ大きくなるし、これプラス海外事業ですね。

●真木:あのポケモン効果というのはその後がありまして、結構日本のアニメーションに対して、アメリカ、ヨーロッパ含めて買いが殺到したんです。今でも結構殺到してる。それはそのニューアニメーションの、いわゆる質の高さっていうこともあるわけですけども、簡単にいうとアメリカで作るよりも買った方が安いっということなんですよね。そういう意味では確実にグローバル展開というか海外進出っていうのは、アニメーションていうのは着々とやってるって気がしますね。さっきのその石川さんがおっしゃったいろんなとこで賞を取ってるっていうのも、そういったステップの一つだと思うんですね。

●萩野:ここがすっごく問題なんですよね。目の世界というのかな。「心を祖国に、目を世界に」って毛沢東が言ったんですけども。海外的な物、やっぱりより意欲的に広げていこう、作品を見て貰らおうっていう試みはなされないといけないんです。そういうことの中にそのやっぱり技術っていうのな、非常に重要な問題になってる。単純に新しいデジタル技術、機械を入れれば出来るっていうことじゃないわけですよね。そこをこなしていくっていうことが、非常に大きな課題になってるわけです。
さっき冒頭で『人狼』が最後のアナログだとアイジーの石川さん言われたけれども、これを今度は新しい『ブラッド』で今度はデジタルに切り替えるっていうんですか、デジタル技術をふんだんに使って、今度は試みてるということがあるわけです。その『人狼』、さっきの予告編見てもかなりのパワフルなものじゃないかと思うんです。それと今度の『ブラッド』を比較して見せて頂こうと思うんです。

●真木:今『ブラッド』という作品はフルデジタルというデジタル技術を駆使して作ってるんですけども、企画にとってはさき『人狼』に関しては結構ヨーロッパペース、ヨーロッパを結構意識してますね。これやっぱりアメリカ、ハリウッドへ持って行くというよりも、ヨーロッパに見せたいという事は、日本のなんかトラディショナルというか忘れてはいけないものを感じて作ったのが『人狼』で、そういう面 では、ビジネス的な事よりも、魂を植え付けた作品ということも、最初からコンセプトにあって作り通 しましたね。
『ブラッド』に関しては、逆にハリウッドペーストで、その『バンパイヤ』という誰でも分かりやすい素材を使って、なおかつ場所も、日本であって日本じゃない、横田基地を使ってるんです。その中ではやっぱり全部英語でせりふを喋べってる。海外に行く時にやっぱり日本の質の高いアニメーターの技術と後、話はやっぱり誰でも分かるような、モンスターものであり、使った方がいいであろうと、三つ目はやっぱり言葉が問題あるんで、英語を使いたい。この三つを、コンセプトにおいて作ったのが『ブラッド』です。
ポスプロに関してはアフレコダビングという作業、フルオーケストラに関しても、全部ロスアンゼルスで撮ってます。ロスから私も3日前に帰って来たんですけども、今日あたりファイナルミックスが終わる予定なんで、仮に相手のそのゲームスタッフに、音楽とSEを急遽入れて貰ってつけてます。そういう面 では、工藤夕貴さんというのは発音がものすごく良いですね、英語の。彼女を主役に抜擢出来たのはすごく幸運だと思ってるし、音楽がですね、SEが付いて相当迫力ありますし、これはほんとに、是非見てほしい作品に仕上がりますのでお願いします。

●萩野:非常に印象として思うのは、もはやデジタルがどうであるかとか、そういうことを越えてるっとか、そういう問題じゃないです。

●真木:やっぱり、どの機材を使ったとかいうのは、内のスタッフにもそういうのはしらけちゃうっていうのか、そういうこと言ってるんじゃない、やっぱり人間が、映画を作るんだというのが原点にあります。

●萩野:ただ今日盛んに話されている、例えば先程石川さんが言った『人狼』はヨーロッパの方に向けて、マインドとしては日本の魂みたいなものを作り通 したんだというような、そういう考え方、そして物については、バンパイヤ物にして、横田基地にたとか、工藤夕貴を使っていくんだとか、要するに話を聞いていると、すごくしたたかな感じがするわけですよ。
僕なんか映画でやってた頃は非常に子供だましみたいな感じで、それに比べたら、あなた方は非常に大人っぽくて、したたかで、すごく戦略的でそういうところをすごく感じるのね。
そういうところにデジタルという技術が入ってきて、尚かつインハウスで人を思っていて、その人達があるときはゲームをやって、ゲームをやったコンピューターの能力を、また今度アニメーションにもってくる。アニメーションでも作品、絵を画く能力、あのばっと睨んだあの目の輝きなんか、ちょっとぞくぞくとしちゃうんだけど、ああいうような基礎的な力のパワーをつぎ込んでゆくいうことで、僕は非常に貴方達がこれだけの要素で勝ち組になっていけるか分からないけれども、非常に楽しみな要素があるんじゃないかと思うんです。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(セミナーでの発言から一部を抜粋して掲載しています)
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