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セミナーB
「モバイルデザイン」

飯塚俊郎(松下通信工業(株) マルチメディアライフクリエイトセンターデザインクリエイト部長)
宮田人司((株)ゼン代表取締役社長)
高城 剛(ハイパーメディア・クリエーター)
コーディネーター:タナカノリユキ(アーティスト、アートディレクター、映像ディレクター)

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■SeminarB

タナカノリユキ氏

タナカ:このジャンルは、いま日本が非常に進んでいる部分だと思います。いままで携帯というのは単なる電話機能だけだったのが、iモード以降、PC、インターネット、音楽、映画、写 真、自分たちのコミュニケーションとしての総合的なメディアを持ち運びする、もしくは身につけるということが起きています。もともと日本は縮小化しているメディアに強く、日本が発表すると海外がそれに似たようなものを出すという現状です。いろんなミュージシャンやビジュアルクリエイターが、ここで何か発表するのではないかと非常に興味深いし、そういう意味で、クリエイティブに関わる、もしくはコミュニケーションシステムに関わる最前線といってもいいのではないでしょうか。
いま私はCMの演出をしているのですが、今日はその中のいくつかを見ていただいてお話したいと思います。その中に携帯全体の考え方、モバイル全体の考え方みたいなものがあったので持ってきました。
(映像1)ドリカムの吉田美和さんとインディアンが出ています。企業広告として、時空を、場所を、民族を越えていく。コミュニケーションがディスコミュニケーションも含め、もしくはディスコミュニケーションからコミュニケーションに変わる瞬間ということがキーワードになっています。ですから、インディアンと吉田さんは違う言葉で話しているのにお互いに気持ちが通 じている。実際は砂漠で撮影していますが、もしかしたら、そこへ行かなくても時空を越えて会えるということがあるかもしれないということです。
(映像2)これは金沢で撮影したので見ていただきました。
(映像3)J-PHONEのミーメディアというのはある種のデモクラシックです。たとえば、老人、子ども、男女、ある種のデモクラシックな部分ということでのミー。個と対応していくという意味でのミーメディア。自分が広がっていくということがそれぞれの言葉で展開されています。
(映像4)最後は携帯というよりモバイル。MP3対応の音楽をダウンロードして聴く。ちょっと未来の話を作ろうとアメリカの学校で撮影しました。いろんな人種の子どもたちが校庭で話しているのですが、音楽でいう3つの世代に分かれるわけです。レコード世代、CD世代、これからは音楽を聴くのはCDでもMDでもなく、ダウンロードでしか聴かない人たちが出てくるだろう。その曲をどこで手に入れたのか聞いても、URLしか言わないとか。いまは楽器が弾けなくても、楽譜がかけなくてもミュージシャンやDJになれたりします。新しい音楽との関わりやモバイルのことがでているので持ってきました。これはいくつかのキーワードだったりします。それでは飯塚さん、お願いします。


 

飯塚俊郎氏

飯塚:昨日の糸井さんの話に個人やリンクが出てきましたし、いまのタナカさんの話にも個人がキーワードとして出てきました。個人がミュージシャンにもなれれば、出版社や放送局にもなれる非常におもしろい時代が来るわけです。私はパナソニックで15年ほど前から携帯電話に携わってきました。まず最初にそのことに触れ、その後、いまある商品が、今後いかに楽しくなるのか、私たちがイメージしている携帯電話の先々を見ていただきます。
まず、なぜ私が携帯電話に携わってきたか。いわゆる情報科学が1920〜30年に大きな国や国際的なレベルで始まり、戦争や宇宙開発等に使われました。それがやっと個人の道具にまで降りてきました。そういう時代認識からすると、情報科学はすでに成熟期、パーソナル化では末期です。次は何かというと生命科学です。今後は情報科学の成熟化と生命科学がコンバインドして、非常におもしろいもの、ものだけではなく環境ができ上がる、ダイナミックに揺れ動く時代に生きていくわけです。たまたま私はデザインに興味があり、情報の世界に飛び込みました。当初はどんな形で世の中に商品が出るのかまったく予想もつかなかったのですが、コミュニケーション、コミュニケーションとバカの一つ覚えのようにここまできました。
まだNTT時代の90年から携帯電話が始まり、ここ4〜5年で一気に広まりました。iモードが2〜3年前にできて、情報通 信もパーソナル化の中で音声通信からデータ通信へ、これからは感性通信になるわけです。感性となると我々メーカーでは捉えきれない問題がたくさんあり、去年タナカさんと1年間コラボレーションをやらせていただきました。新しい世界に入る時には、クリエイターとコラボレーションする中で、何をデザインのテーマにすればいいのか、どんな環境、仕組み、サービス、商品を作っていくかをはっきりさせていきたいと思っています。その中身については夜塾で、それこそコミュニケートしながら深めていきたいと思います。
今日お持ちしたものを簡単に説明します。怪しいマネキンが並んでいます。先日社内でプレゼンテーションした中から3体持ってきました。画面 にはPanasonicという文字も入ってなくて、オープンというキーワードがあるだけです。これからはオープンがすべてではないかという問いかけがあります。それに端末がぶらさがっていて、音楽を聴いている、コミュニケートしている、どういう状況を想定していただいても結構です。我々工業デザイナーは、従来のように決まりきったものではなく、ユーザーがどう使ってもいい環境をデザインしていかなければいけないということを提示するために作ったモデルです。材料をとっても、今までの工業デザインとは違ったアプローチをしています。 こちらはスティックを持っていますが、これは携帯電話の次に流行らせたいと思って作ったものです。道具を使って、ユーザーがいろんな所に簡単にアクセスできる。例えば、看板、人、もの等にこれを使ってアクセスすると情報が入る、あるいはメッセージが相手に伝わる。人と人だけでなく、人と環境、人と建物、いわゆるマルチアクセスの仕組みを世の中に作ろうとスティックの形で表現したものです。
次の世代は映像の世界が絡んできます。3体目が手に持ってる玉はカメラです。カメラですが目といういい方にして、いろんな所に目がついてきて、その目を通 じてお互いの映像が自由に飛び交っていく、その中で自分も映像的に遊泳していく世界を象徴して作ってみました。これからは、従来の工業デザインだけでは表現できない世界になっていくという前提で、各分野のクリエイターの方とコラボレーションしながら、デザインの機能をより広めたり、深めたり、新しい領域を切り開いていこうと考えています。

●タナカ:いままではモノ、色、形をデザインしていくのがほとんどでしたが、出来事だったり、関係性みたいなものをデザインしていく。いままでのプロダクトデザイン、インダストリアルデザインのジャンルだけではなくて、そこには、ミュージシャン、ファッションデザイナー、ユーザーの代表である高校生、ビジネスマンとか、いろんな人がその中に入って、環境づくりとそこから派生するコトや関係性をどうデザインしていくかということに変わっていくわけです。縮小、軽量 化はほぼ限界値にきて、ここから先はそういったものに変わっていくだろうとやり始めたものです。そういうビジョンを持っていくと、5年後、10年後に現実化されるのですが、その中で携帯といわれているものの形自体も変わっていく。最初にある程度、目標なりゴールなりを決めていかないと不毛の戦いになったりします。研究会ではありますが、やってて楽しく、ワークショップに近い状態でやっています。では次に、宮田さんお願いします。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

宮田人司氏
宮田:既存のエンターテイメントにネットの要素をうまく取り入れることで、もっと楽しくなるのではないかという発想から、ネットワークエンターテイメントというものをやっています。モバイルというと、いま日本が一番進んでいるといわれますが、その中でも携帯電話、iモードが注目されています。例えば、コンテンツのデザインは、ディスプレイが非常に小さいため簡単そうに見えて意外に難しいのです。僕らが作ったコンテンツでは、着信メロディのポケメロというのがあります。ポケメロの配信システムのサーバを開発しました。その画面 デザインで一番苦労したのは、小さいディスプレイの中でいかに楽しく見せながら、少ない操作で目的までたどり着かせるかという点です。画面 は小さいしコストもかかるので、3つくらいの操作でお客さまの目的地までたどり着けるというデザインの仕方、これは携帯電話ならではの難しい部分だったと思います。着メロの話ばかりでもおもしろくないので、いくつかのプロダクトの紹介をさせていただきます。 まず、ネットワークエンターテイメントをどんなデバイスでやっているかというと、PC、モバイル、PDA、ゲーム。僕らの開発理念は簡単で「無いモノは作る」。ネットゲームは数年前から話題になっていたのですが、なかなか日本製はありませんでした。ないのなら作ろうということで去年発売しました。デモをご覧ください。 (映像) これが、僕らが作ったPCのゲームです。ネット上で3Dのキャラクターを自由に操って、コミュニケーションを取りながらライトに遊べるゲームを作りたかったんです。発売前にネット上でベータテストをやりました。テスターとして約1万5000人が登録し、数十万件のダウンロードがありました。ネットゲームも注目されているんだなと実感しました。結局、作ったものを誰かが喜んで使ってくれれば、それがエンターテイメントなんだと思っています。
モバイルでは、iモードサービスでエンタメールというのをやっています。エンターテイメントメールという意味なんですが、iモードで一番使われているサービスは着メロ、メールだと思うんです。そのメールのやりとりの空間がもったいないので、何かできるのではと考え、そこにゲームの要素を持たせました。 いくつかのゲームを紹介します。まず「STRONGERS」、メールをやりとりする間にキャラクターが育っていく、誰かと戦いながら、自分のキャラクターのステージをアップしていくという内容です。「Not 20」は、4人まで同時にできるゲームで、最後に20をいった人が負け。単純に20というと計算できるので、自分のアイテムカードが配られます。例えば−5とか、パス、リバースというカードをうまく使いながら最後に20をいった人が負けというゲーム。「WAR」は、相手の船の位 置を予測しながら爆弾を打ち込んでいって、何回かメールをやりとりする間にどちらかの勝敗が決まるというものです。「DREAM POST」はグリーティングカードで、メロディと絵をつけたメールを送ることができます。これは、近々英語版も作り、海外でも展開していきたいと思ってるんです。
また、吉本興業と立ち上げている「バトラクション」というコンテンツもあります。これはテレビとモバイル、メディアをリンクして運営しています。モバイルからアイドルを育てるユーザー参加型のオーディションサイトです。iモードとauで展開しており、ユーザーはプロデューサーという立場になり、女の子をプロデュースしていきます。もちろんゲーム性もあります。番組は関西テレビで放映していますが、その内容はインターネット放送でWebサイトでも見れるようになっています。携帯電話でインターネットができて始めて、でき上がったエンターテイメントだと思っていますから、今後こういったものも、積極的にやっていきたいと思っています。新しいモバイルのコミュニケーションを使ったエンターテイメントを紹介させていただきました。

●タナカ:大きな意味でインタラクティブということだと思いますが、その部分での実験的なもの、最先端のものを見せていただきました。いくつかのキーワードがでてきました。高城さん、どうぞ。
 

高城 剛氏
高城:大切なのはデザインで、本質を追究することだと思います。モバイルの本質とは何か、できる限り話したいと思います。僕の基本的な仕事というのはメッセージの思想を作ることです。あるものを人に伝える時に、そのメッセージの考え方、すなわちデザインの根幹にある思想をどう持つか。かっこいいこと、楽しいことを追求するのではなく、本質と向かい合って思想そのものを追求していく。そのようなメッセージの思想を作ることを仕事にしています。
まずA→B、これが現代的なコミュニケーションの基本的なキーワードです。AをBにどうやって伝えるか。この矢印がいかに変わってきたか。この矢印こそが最もおもしろい、これこそが今日の本質であるモバイルです。どこかとどこかの間にある場所がモバイルです。ところが、最近コミュニケーションの方式は両矢印に変わってきました。いままでテレビは一方通 行だったのに双方向になってきた。携帯電話、インターネット、いろいろなものが双方向という両矢印でくくられるようになってます。eビジネス的に置き換えると、出版社から購買者に直接本が売られるようになり、間にある一次取次、二次取次を越えて、この矢印が最も大きく変わってきた、もしくは中間がなくなってきた。これは、ディスインターメディアリーです。新しいインターメディアリーがなくなって、いままでと違う中間領域が誕生したというのが市場の考え方です。間の人たちはどうなってしまうのかというと、間の人たちもその中間をとばし新しい中間領域が誕生することでダイナミズムが生まれて、市場そのものが活性化していきます。 この新しい中間的表現の典型的なものの1つにモバイルがあります。A地点からB地点の間にあるもの、この新しい中間領域の誕生によって、モバイルという文化が最もいま脚光を浴びています。
「なぜ、モバイルが必要か」……日本は狭いからです。我々は非常に狭い空間で生きています。アメリカのエグゼクティブといわれる人の90%は自分が納得できる書斎を持っています。我々はそんな環境を持っていません。日本的なアンチテーゼがモバイルだといえます。モバイルは、我々の狭い部屋から新しいプライバシーを作るために外へ外へと作ることができました。すなわち、これは場所の変貌です。
「なぜ、モバイルが必要か」……日本は時間で管理するからです。我々は時間による管理型の社会に生きています。どれくらいの仕事量 をしたかではなく、勤続何年というように時間で管理されています。ところが、モバイルというのは時間そのものを変貌させる可能性を持っています。例えば、釣りをしながら仕事ができる。これは場所と時間の変貌両方です。自由な場所に行って自由な時間の中で仕事ができることが、モバイルが与えてくれる課題です。場所と時間を自分なりにどう考えていくかが、この時代に大変重要です。 すなわち、モバイルとは何か。外にでようとする力、新しい時間を作ろうとする力です。モバイルというと、携帯電話やPDAにモバイルという概念を持っていますが、そうではありません。外にでようとする力、何しろ狭いですから。新しい時間を作ろうとする力、何しろ時間で管理されがちですから。この新しいスタイルを目指すこと、スタイルがモバイルなんです。 時間と場所の新しい概念と管理。新しい価値をどんどん見いだしていこうという運動がモバイルだと考えています。同じ価値のつながりこそがネットワークの本質。ネットワークは人と人がつながるといわれていますが、そうではなくて、同じ価値や同じ信頼をおける仲間といることこそがネットワークの本質です。
僕はこういう定義を必ずするようにしています。時間と場所を自分の価値で割って数字にしていく。それで価値がどれくらいあるのかを冷静に分析し、それに対する経済動向がどう変わっていくかでようやく広告的効果 がでます。ここまでが僕の仕事であり、ここから様々な広告クリエイターと仕事をします。いろいろな人と仕事をして、ようやく表現というものに持ち込んでいくわけです。
では、そんなモバイル時代のコンテンツにはどんなものがあるか。まず社会的背景を分析します。コンテンツは一極集中化しています。情報があふれているので趣味は多様化しているといわれますが、まったく嘘です。我々は同じものを食べて、同じものを見ています。その証拠に視聴率はがんがん上がっています。ものごとが短いサイクルでどんどん変わっています。忘却率も速くなっています。速い展開、速いカット割り、映画は毎年のように史上新記録を更新しています。音楽が最も顕著で、総売上の65%がメジャーヒットです。12年前には、100万枚セールスが全体の8%にすぎませんでした。昔のほうが、いろんなものを聴いていたということです。ただし、雑誌だけは多様化しています。雑誌のみが多様化し、マスといわれているメディアは一極集中化しています。 様々なものと連動して考えると、少子化による圧倒的メジャーといわれています。なぜ一極集中化するのか。だんご三兄弟が売れたり、セブンイレブンが若年化したりするのは、少子化によるメジャーヒットの顕著な傾向です。最近は宣伝費と比例しないヒットの登場が増えてきました。なぜ、増えてきたのか。同時にマイナーという概念もなくなってきました。いったいマイナーとは何か。 コンテンツ伝達のパターンは4パターンしかありません。
1.メジャーで始まりメジャーになる
2.メジャーで始まりキャンペーンを打ったけど失敗
3.クチコミで始まりコミュニティー生成し成功
4.クチコミで始まったのに途中からメジャー化を目指して失敗
現在のメディア伝達のパターンは、『クチコミ以上マスコミ以下』と僕はいっています。携帯電話と電子メール、これが市場そのものの情報をスパイラル的に動かしています。なぜ、こうなったか。テレビ誤信時代というのが一番大きな理由です。みんなが知っていることをテレビではやりません。おかしいと誰もが気づき始めた。それがクチコミ、さらに広域クチコミといって携帯電話と電子メールによってつながっていきます。同時に、読者登場の雑誌を信じる。すなわち、語り部の変貌です。雑誌の中の新しいカリスマ。テレビから得る情報は知っていますが信じていません。認知と信憑が完全分離してます。「知ってる」と「わかってる」と「信用してる」が完全に差があります。テレビより友だちからの電子メールが価値が高いのです。AからBにコミュニケーションで情報を投げる時に、受け取った側にどれだけ情報がささっているかという濃度を測定することを情報濃度といいます。この情報濃度の最も濃いものが、『クチコミ以上マスコミ以下』、携帯電話と電子メールです。
そして、様々なレイヤーを持つ時代のコンテンツは、マイメジャーとメジャー、この2つしかありません。我々はよくキラーコンテンツといういい方をします。最大のキラーコンテンツは彼氏からのメールだったり、電話だったりします。それは、私にとって大変重要なものですが、他人にとってはそうではありません。だからマイメジャーです。今日はモバイルなので、携帯電話を例にします。 まずメジャー。今日ではNTTドコモです。それに対して、マイメジャーはストラップや着メロです。ポイントは、みんなと一見同じだけれど、ちょっと違う。これがアイデンティティです。2つ目のポイントは、参加型であるということ。参加型のことをインタラクティブといいます。3つ目、人に見せられることをエンターテイメントといいます。ここが違うということをいかにいえるかがポイントです。コンテンツとしては、『メジャー+α』マイメジャーです。メディアとしては、『テレビ+クチコミ以上マスコミ以下』、事実上これがコンテンツをリードしています。
マスメディアが崩壊している。ファミリーの崩壊もあります。ファミリーとは何か。どんどん個に落ちているという意見があります。お茶の間が喪失し、ファミリー向けというものはほとんどありません。同時に超大衆とか超個人を生んでいます。スーパーマスですね。個人は情報を受け取るだけだったのですが、超個人はそれを横に回します。携帯とかメールとかがそうです。全員がコンテンツをプロバイドする立場にあって、全員が評論家です。これはポイントですが、これから時間と場所の変貌によって、金銭価値や経済や社会はどのように変わっていくか。我々は時間やお金を「個人―家族―会社―国家―世界」というレイヤーで使っています。例えば、会社のために使う時間、家族のために使う時間とかいろいろあります。ポイントは個人と家族の間にある線が増大するということです。個人のすぐまわりにある環境こそがものすごく増大するんです。個人により近い所にあるもの、携帯電話もそうですね。パーソナルに近いところにあるもの、機器だけではありません。全ての文化が増大するのが昨今です。新しい個人の時間と場所を求めて同じ価値観を持った人々といかにして出会っていくか、そのために僕らは移動するのです。ですから、モバイルとは、こういったものを求め、機器を持ち、移動して、人と会う文化にほかありません。ネットワークになって家にいるのではなく、どんどん外に出ていって人に会います。携帯電話が普及するのと同じように人間そのものの移動量 は実は増えています。ネットワークの回線の太さと移動量は比例しているのです。僕はよくフットワークとネットワークは比例しているというのですが、必ず我々はネットで何かを見れば本物が見たくなります。これが人間心理です。情報という言葉を「情」と「報」に分けました。IT革命といって便利なものを追いかけています。モバイルもそうです。そうではなくて豊かなものとは何かを考える。情報の「報」ですね。豊かであり便利なもの、これが今日つきあっているITであり、モバイルであり、デジタルの本質です。便利なものを追いかけてはいけません。豊かであり、便利なものとは何かを考えます。狭い場所から出て、外で人と会い、新しい何かと出会って、自分の時間を有効的に使う。新しい豊かさと便利さによってできる自分の時間というものが、実はこれからの時代において最も重要だと思ってます。
 
(セミナーでの発言から一部を抜粋して掲載しています)
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