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セミナーC
踊れ! 映像 「華麗なるミュージック・ビデオの世界」

田中秀幸((株)フレイムグラフィックス代表取締役、アートディレクター)
寺井弘典((株)PICS代表)
明和電機(アーティスト)
コーディネーター:中島信也(CMディレクター)
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■SeminarC

●中島信也:このセミナーでは、CMと違ったところで、理屈をこえた、右脳を刺激する映像を見て頂きます。CMはその性質からまじめに作られていますが、それとは裏腹な映像を見てもらいます。CM業界でも非常に売れっ子の田中秀幸さんと、世界のミュージッククリップを扱っている寺井弘典さんに作品を紹介してもらって、それを明和電機の土佐社長と中島で見ていくという形で進めます。
その前に、ちょっと明和電機のCMを。

明和電機ビデオ
(明和電機会社案内、商品案内ビデオ上映しながら)

●明和電機:明和電機はもともと父の会社で兵庫県の赤穂にありましたが、「父さん倒産」してしまいました。(笑)しかし、93年に兄と変な機械を作って見せつけるユニットとして再スタートしました。
2000年に社長の兄が定年退職を迎え、私が社長に就任しました。
明和電機は3つのシリーズの商品を出しています。まずは、魚器(naki)シリーズ。「自分とは何か?」この問題をいろいろな角度から分析し、発見したことをひとつひとつ「魚」というモチーフを使って道具にしていく。こうして生まれた26のナンセンスマシーンたち。

次は、エーデルワイスシリーズ。花をモチーフにしたナンセンス商品。オスとメスのおとぎ話の商品。マツキヨ銃、マツキヨ液などです。最後は、ツクバシリーズ。100V電流でモーターや電磁石を物理的に動かして音を出す音楽。電動楽器「ツクバシリーズ」は情報ではなく、物質によるマシン= ミュージックです。

こうしたものを日々作っております。まあ、楽器を作り、それをコントロールするプログラムを打ち込み、音を作り、録音。プロモーションビデオも自分で行い、ライブ活動。ライブは、いわば社員旅行の夜の宴会のノリでやっています。それと、楽器のノウハウで音の出るおもちゃを作り、売っております。去年は、海外進出もはたし、オーストリアで毎年行われるイベント「アルスエレクトニカ」で準グランプリを頂きました。
1月にもフランスのパリでライブを行いました。
(アルスエレクトニカでのライブ模様映像を紹介)
ノックマン、ジホッチなどゼンマイで動くおもちゃも出しました。
商品は、AMP(Art Multipul Product)をコンセプトに、ARTとして取り組み、小ロットのアート作品にして、最後は工場で量産するという形をとってます。計器類がなくなってから日本の景気が悪くなったということで、景気回復グッズと称して販売してます。テレビCMでも出ており、サントリーの青春チューハイのCMに出演しましたが、青年の飲酒をあおるということで、1回で終了しました。親は、自分が出ているのではなく、稲垣吾郎だと思っていたようですが。

●中島:社長就任が2000年。社長となると苦労が絶えないでしょう。海外進出でグローバル化もされておられるし。ところで、生活はどうやってされているわけですか?
明和電機:社長といっても私ひとりなんです。吉本興業の配下なので、領収書とって部品を買ってます。

●中島:それでは次ぎは田中さんから、それとも寺井さんから?

●寺井:明和電機さんが面白すぎて。。。

●中島:それじゃ、お口直しに(笑)私のCMでも見て頂きましょうか。

※中島作品登場

セミナー会場風景
中島信也氏
明和電気の製品紹介
  (クロワッサン)(燃焼系アミノ式)(第一生命リード21)
第一生命さんのは、ボツになってどっかいっていたものを弟子が見つけてきて、その封印を解いたものです。人間そのものを扱い、70人以上の人と話して作った。すぐ放映中止になって、担当がどっかの営業に飛ばされてしまったいわく付きのものです。「人生に太鼓判」いい企画だったんですけどね。それじゃ、そろそろ田中さんからいきましょうか。
※ 田中秀幸作品
●田中:どこが「華麗なミュージックビデオの世界」なんですか(笑)

●中島:いいんじゃないですか。いろんなのがあって。

●田中:それではまず、旅に出て撮ってきたものを音楽的に繋げた作品から

(西アジア風の方々をモチーフにしたビデオ作品)
●中島:すごいですね。これ大好き。

●明和電機:よく集めてきましたね。

●中島:ビデオ編集されて

●田中:ビデオ編集の画面インタフェースは音楽の編集に似ていて、フレームに置き換えるだけでできるんで。
●中島:これならご家庭でもできます。子供の小さい頃のを引っ張り出して編集したり。でもビデオをみているうちに涙が出てきてぜんぜん編集がすすまなかったりしてね。
(JR-SKIのダチョウCM)
●中島:カッコイイですね。ダチョウ。しかしダチョウがこんなにうまくスキーできるとは。
●田中:ダチョウは1年ぐらい仕込んだんですけど。(笑)
●中島:それもJRで行けない海外での撮影のようだし。ところで、ダチョウと社長は似てますね。土佐社長。しかし、こんな企画よく引き受けて実現しましたね。自分だったら絶対に引き受けたくない。
●明和電機:タネは?
●田中:スキーヤーにダチョウの着ぐるみを着せて。細いんで足と首は人が着ぐるみに入らないから、コンピューターでいらない部分を切り、CGで足と首をつけた。
●中島:普通の人はスキーヤーの足を消さないで、人のままのをみたかったと思いますね。
そろそろ華麗なるミュージックビデオを是非見せてください。映像って、かっこいいなあ。やってみたいと思えるやつを。
(ミュージック・ビデオ)●中島:危険ですね。どうですか。土佐社長。
●明和電機:「安全第一」ですね。
●田中:Paul Nazca、石野卓球さんの曲です。曲を聴いて映像を考える。曲自体の進行、構成がいいので。
●中島:それにあわせて映像もいい。音と映像がうまくシンクロされている。
●田中:もともとの音楽の感情のテンションをそのまま映像にしただけ。アーティストにもよろこんでもらった。
●中島:ではすごく元気になる映像を。HALCALIという2人のビデオ
●明和電機:僕も大好き。LIVEにもいきました。
中島:楽しくなるやつですよね。でも映像を作る人間にとってはちょっとつらい作品ですが。
(HALCALIのミュージック・ビデオ)
中島:かわいくて、たのしく明るい。
中島:そろそろ寺井さんいかがでしょうか。あれを見せてほしい。できれば若い人の作品を。
寺井:作品をお見せする前に。金沢21世紀美術館が今年出来るということで、そこでぜひミュージックビデオの展覧会を開いてほしい。
※寺井弘典さんいよいよ登場
2002年に東京都写真美術館で森山さんと開催し、12月22日から2月20日の会期で2万人が訪れた。(当時のビデオ)
ミッシェル・ゴンドレーさんの名作を集め、そのセットの中に入っていけるものや、7時間ぶっとおしでビデオをリラックスした中でみてもらった。ミッシェル・ゴンドレーさんは2002年のスターギダーで、私自身「広告批評」の連載の中で紹介しました。車窓からいろんなものが見えてきたり、セット空間と現実を行き来する作品もあり。ゴンドレーのMTVはCMやミュージックビデオに大きな影響を与えている。ビョークのMTVに与えた影響も大きく、クリエイティブを開発した。
中島:クリスカニングハムなど、MTVがCMに与えた影響も大きい。単にインスパイヤーされるものであればいいが、パクったものも多い。
しかし3分は長い。普段CM作っているんで、25mプールから海に出て行くような感じ。映画にいたっては大海。短小になっている自分も認めなければあかんな。なんのこっちゃ。
●明和電機:ビョークやマッシュバーニーは・・・・。(ピー)音と映像のくっつけが。
●中島:たしかにぶっ飛んでいる。何なんでしょうね。コミュニケーションすることが洗練されている。映像表現自体はいっしょなんだけど、洗練されすぎると不完全なものやわからないところをあえて入れている。
●明和電機:田中さんも余白を残しているのか、自分でもわからないものを入れるの?
●田中:自分でもわかんないものを入れている。
●中島:どうジャンプさせるかが大切。自分の頭の中にできている塀を破り、なんやこれというのを。事実、理屈をビジュアル化させている。
●寺井:開かれていますね。
●中島:では日本からの作品をそろそろ。
●寺井:では笑いで締めて。
●中島:別にしめてとは。。。楽しいやつをお願いします。
●明和電機:やはり日本と外国は違いますね。海外のものは、なんていうかこう、内部をベロンと出してくる感じ。ベローンと。
(作品:トレインサーファー)
田中秀幸氏
寺井弘典氏
 
明和電機社長
 
※総括
●中島:では寺井さんから若い人たちへの期待というかメッセージを簡単にお願いします。
●寺井:MTVジャパンにいたころ、ステーションIDコンテストということで10秒のロゴを見せるコンテストをやっていた。短時間でも人に見せれて納得できるものを作る。コミュニケーションの道具として作品を作ることを勧めます。
●田中:技法やパッケージングは時間をかければ学べる。それ以前の自分の好きなものを自覚して追求する。
●明和電機:好きなことを徹底してやってきた。それをやるための環境づくりが大切。好きにはやるが、その環境を作れない人が多い。戦略とか作戦が大切。やりたいことをやるということと、それをどう続けるか考えることが大切。
●中島:後輩にメッセージを贈れるような人になってほしいね。そうした生の声を聞いてもらって。いろんなメッセージをいう方々がいるが、とにかく、自分のキャラクターをよくみて、しっかり自分を生きる。あの人のようになりたいなと憧れるのもいいが、自分に自身をもってやれることをやっていくことですね。
 
 
 
(セミナーでの発言から一部を抜粋して掲載しています)
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