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セミナーB
「夢の美顔つくりの現場…フラスコからCMまで」

中島信也/CMディレクター、(株) 東北新社専務取締役
大野和久/(株)資生堂化粧品開発センター
     メーキャップ製品研究所長、副主幹研究員
辛酸なめ子/漫画家、コラムニスト
成田 久/(株)資生堂宣伝部デザイン制作室アートディレクター
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■SeminarB
成田さん
●中島:午後の最初のセッションは女性の話題です。辛酸さんは、いつからその名前なんですか?

●辛酸:高校生の頃からのペンネームで、見た目が薄幸そうということで、この名前にしたんですけど、今のところプラスマイナスゼロという感じです。自分からセレブになるための本を書いています。自分からセレブオーラを出してまわりを威嚇することが必要なんです。セレブの用語を暗記するページとか、ぬり絵のページもあって、塗っている間に自分がセレブになった気分に(笑)。

●中島:本当に役立つ本ですね。辛酸さんご自身もセレブにあこがれているんですか?

●辛酸:これは自分がヨガをやっているところです。時間をかけてメイクさんにメイクしてもらって、レッドカーペットを歩いている写真です。やっぱり目がポイントで、前方の上の方がモヤモヤするくらいのつけまつ毛をつけていて、メイクが完成に近づくと気分が高まり、違う人間になっていくような気がします。

●成田:メイクは気分や態度で人も変わります。資生堂にはメイク学校もあって、特殊メイクとか顔色悪いメイクとか、いろいろなことを教えたりするんです。

●中島:辛酸さん、ところで「セレブ」とは何なんですか?

●辛酸:身分じゃなくて生き方、ポジティブシンキング、自分の人生を見せ物にして、みんなを楽しませるサービス精神みたいな部分はあると思います。

●中島:成田さんのお仕事は簡単にいうとアートディレクターということですか?僕からみていると、単なるアートディレクターをこえてご活躍されているようですが。

●成田:まずアネッサのコマーシャルをDVDでご覧ください。これはみなさん、ご存知ですか?

●中島:男子も女子も注目したCMだと思います。

●成田:僕は、資生堂の社員なんですけど、コマーシャルの制作や商品開発のパッケージデザイン、店頭のお客様が見るもの等、総合のビジュアルを監修しています。アネッサは、僕の入社時(8年前)からある商品で、僕がやるとは思いませんでした。いままでと違う新しいエビちゃんを、大胆に、カッコよく見せたかったんですけど、どうですか?水着も僕がデザインしてるんです。パッケージはこれまで決まっている色があったんですけど、新しくテーマカラーを決めて、ロスで撮影しました。僕は、エロとセクシーは違うと思ってるので、CM監督とそこは戦いました。編集をしていく過程で、映像を見せて音楽もつくってもらいました。人によって仕事の仕方は違うんですけど、内部のデザイナーがそこまでやっている例はあまりないと思います。

●中島:ありませんよね。CMディレクターというのは現場の監督ですから、やはり自分で決めたがります。僕の場合は、修行を積んでいるのでそんなことはありませんが。成田さんを見ていると、普通の男子には感じないものを感じますけど。

●辛酸:本当にエロを感じさせないですね。テレビ番組でエビちゃんがスキューバーダイビングやっているのがあって、すごくスポーティーなイメージでしたから、CanCamの雑誌のイメージよりも、むしろこっちのイメージなんでしょうね。

●成田:太陽も合成じゃなくて本物があのまんま輝いて…僕はCMのチームをつくる時には、盛り上がるチームをつくりたいんで、常に勝つというか、関わった人たちがハッピーになって欲しいんですね。

●中島:よく映像の世界では、現場でおこる不思議なことがありますよね。
では、大野さん、職場のご紹介からお願いします。

●大野:今のはコマーシャルとか華やかな世界ですけど、研究所は地味な所でやっています。我々の仕事は中身の処方づくりです。化粧品って、粉、油、水、石などが混ざっているものです。アイシャドウ、口紅、マスカラ、ファンデーションとか、いろんなものがありますけど、誰が何をやっているかはすぐわかります。白衣ですぐ拭いちゃうから。大学の化学の研究室みたいな世界です。これは、化粧した皮膚の拡大です。顔料の粒は平たい板、ナイロンの小さな粒はミゾの中に入っていますけど、こういうのを見ながら女性の肌がどうしたらキレイに見えるかというのを考えています。
粉の分量が化粧品によって違います。ファンデーションだけではなく、口紅にも粉が入っていて、色をつけている訳です。顔料はすべて、大体0.3ミクロンくらいです。粉にも、板状の粉末と球状の粉末があるんですけど、板状は天然のものが多く、球状のものは合成のものが多いです。

●辛酸:石にはパワーストーン的な効果もあるんですか?(笑)

●大野:我々は男だから、女性のつもりで考えて、実際に自分に塗ったりしています。10種類のファンデーションをつくるなら100種類くらいつくります。所内では、マスカラを塗った男の人が歩いていたりします。所内にいる時はいいんですけど、うっかり忘れて電車に乗っちゃうこともあって…(笑)

●中島:辛酸さん、成田さんのロマンスと大野さんのエンジニアリングについて何か。

●辛酸:テカリとツヤは違うんだなと思いました。セレブをめざすんだったら、テカリもツヤに見えるようなハイライトとか入れていきたいなと思います。女性はなかなか素肌で外を歩けないので、こうしたつくってくれている方たちのおかげで外を歩けるんだなと思いました。

●中島:女性がキレイになるために必要なものは?

●辛酸:やはりお金です(会場爆笑)。1500円のファンデーションと5000円のファンデーションを塗っている時の自信というのは全く違います。資生堂さんの化粧品を買える経済力が必要なのかと。

●中島:今日は夜塾でプレゼントもあるようです。では最後に「一瞬も一生も美しく」というテーマで僕がつくったCMを一本見ていただきましょう。このCMは曲の歌詞もつくりました。オリジナル曲「新しい私になって」のCDも夜塾でプレゼントします。
CMをつくる時は、いつも見る人がハッピーな気持ちになって欲しいなと思ってやっています。今日のゲストの皆さんは、俺が、俺が、というのじゃなく、自分以外の人をハッピーにすることに燃えているという気がします。ロマンスとエンジニアリングも世のため、人のためにあるということもありえるんだと思いました。辛酸なめ子さんはじめ、世の中の全女性が幸せになることを我々は願ってやまないものです。
辛酸さん
大野さん


中島さん

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