eAT'12 セミナーB

「a アート」

 

eAT'12 seninarB








































セミナーB「art」

モデレーター
中島 信也(株式会社東北新社専務取締役・CMディレクター)
ゲスト
秋山 具義(アートディレクター)
諏訪 綾子(フードアーティスト・food creation主宰)
土佐 信道(明和電機社長・アートユニット)

中島信也実行委員長がモデレーターを担当するセミナーB は「アート」がテーマ。ゲストには、斬新な発想で注目をあびる3人のアーティストを、イート金沢ならではの組み合わせでお招きしました。セミナーAのテクノロジーを受け、ソーシャルという視点でとらえたアートについてや、サブテーマとなっている「豊かなくらしって何ですか」をアーティストの観点から語り合おうという試みです。
中島信也氏というば、eAT出演15回目のeATの顔、東北新社専務取締役・CMディレクターという肩書きの本職では、資生堂、サントリー、日清といった、誰もが記憶に残るインパクトあるCMばかり。ゲストの諏訪綾子氏は、地元金沢出身のフードアーティストという、新しいジャンルのパフォーマンスで世界から注目を浴びている。秋山具義氏は、ラーメンのブログでも有名だが、人気ユニットAKB48のポスターなどのグラフィックをはじめ、マルちゃん正麺の企画や、自らショッピングサイトで、オリジナルグッズの販売を手がけるなど、マルチな活躍のクリエイター、eAT実行委員でもあるアートユニット明和電機の土佐社長とはデビュー当時からの友人でもあるとかで、和んだ雰囲気なかで、お約束の中島氏の自己紹介プロモーション映像からスタートし、会場は爆笑の渦となりました。

アーティストとしての活動を増幅してくれるソーシャル

中島信也氏の自己紹介映像は、自ら作曲したCM用のもので、有名演歌歌手の歌う曲にあわせ、有名タレントが登場する、CM作品をテンポよくコラージュしたもの。全体で8分近くありながら、観るものをあきさせない、氏独特のユーモアをフンダンに盛り込んだものです。自らの幼年時代からCM業界に身を投じるまでの経緯を、楽しく語りながら、会場にいる人をファンにしてしまいます。

中島●僕は子供の時は神童というわれたんです..........でも足が遅かったんですね」(爆笑)
中学とか高校は、頭のいい人かスポーツのできる人がモテるんですね.......でも僕は足が遅かったんですね(爆笑)、それでバンドをはじめて......

と長髪時代の写真を紹介してまた爆笑.....といった感じでエピソードを軽妙に話しながら、シュワルツネッガー、宮沢りえ、小泉今日子といったビッグタレントが登場する作品をさらりとみせると、いつのまにかしんやワールドの中にひきこまれています。

続いてゲストの紹介で、今回のセミナーBの紅一点、諏訪綾子氏の紹介に移ります。以前eAT2010に諏訪さんが参加しており、すでに中島氏とは顔なじみのようです。
石川県出身でfood creationを主宰するフードアーティスト、諏訪綾子(すわ・あやこ)氏。2008年に金沢21世紀美術館で初のエキシビジョン「食欲のデザイン展 感覚であじわう感情のテイスト」の開催をきっかけに、同コンセプトのパフォーマンスを実施し、食とアートの各領域から評価を得ました。以降、コンセプチュアルな食「コンセプトフード」というスタイルで、企業やブランドとのコラボレーションイベントやパフォーマンスを香港、シンガポール等国内外で行っています。
感情のティストとは、喜怒哀楽という感情を食べ物として表現し、実際にそれを味わってもらうという体験型のパフォーマンスアート。それは味覚や見た目の判断だけでなく触感や鼻を抜ける匂い、口に入れた時の感触、咀嚼音など、食を人間が持つ感覚への総合的な刺激や演出として表現するのがコンセプトだそうです。彼女が自ら切り開いたジャンルともいえるアートだけに、興味のある方はぜひ、彼女が主宰するWebサイト「food creation」のパフォーマンスビデオをご覧ください。「Highlights of Guerilla Restaurant for 111 Tongues」がもっとも彼女のコンセプトを的確に表現しています。

諏訪●金沢美術工芸大学卒業後に上京し、グラフィックデザインや広告を学びましたが、就きたい仕事ではないような気がしたので、そのまま就職せずに数年間を過ごしました。
気になる仕事をいろいろ経験しながら、さまざまな場所を訪れていました。あるとき、知り合いに頼まれたケーキ作りがきっかけで、唐突にこのフードアーティストとしての活動をはじめたんです。
食を自身の表現ツールとして扱う活動に取り組みはじめました。美味しいものを食べたい、お腹いっぱい食べたい、栄養を取りたいといった食べ物としての価値以外にも、食の価値は見いだせるのではないかと思ったんです。こんな 活動を続けるアーティストは、他に出会ったことがありませんけど。」

続いてのゲスト紹介は、アートディレクターの秋山具義(あきやま・ぐぎ)氏。
日本大学藝術学部卒業後に、大手広告代理勤務に勤務、その後1999年に独立し、数々のビッグな広告賞を受賞して、今や広告界では時の人です。エンジャパン「転職は慎重に。」などのCMなど、氏独特のセンスでコミュニケーションを成立させ高い評価を得ています。
秋山氏は東京・秋葉原生まれ。自分の色彩・表現感覚の原型は育った秋葉原の街にあるそうです。
「子どもの頃から、世の中はこういうものだと思っていた。大人になるにつて、自分は偏っているかもしれないと気づき始めた」とか。例えば色のトーンひとつとっても、秋葉原の看板が自分の中の自然な色使いとなっていたそうですが、確かに秋山氏のハイテンションなグラフィックイメージや色使いは、アキバオリジナルなのかもしれません。

秋山●多少電波の影響も受けていたかもしれませんけど.......(笑)、秋葉原で育ち、日大芸術学部への通学途中の池袋には若者の文化情報の発信者として人気のあったパルコがあり、バブル全盛から崩壊へと向かう90年代に、その時代の象徴的なふたつの街から刺激を受けていたことが、自分の感性にとってはとても大きかったように思います。

明和電機の土佐信道(とさ・のぶみち)氏は、かつてイート金沢の総合プロデューサーも担当し、すっかりお馴染みになったアーティスト。2010年は新製品オタマトーンが世界的に大ヒットし、販売総数10万本を達成、MOMAをはじめ、様々なミュージシャンにも楽しまれ、 日本おもちゃ大賞のハイターゲット・トイ部門で大賞を獲得しました。ソーシャルメディアTwitterをつかった情報発信にも早くから取り組み、フォロワー数も6万人を数える人気サイトに成長しました。いきなりのオタマトーンでの演奏から自己紹介がはじまりました。

土佐●明和電機の創作活動には、縦軸と横軸が存在します。縦軸はあくまで自分が長年突き詰めてきた音声技術に関するアイデアの探求。面白いものと売れるものは違うので、オタマトーンが生まれる前には苦しい時期もありました。一方の横軸は、セミナーAでも話題のあったソーシャルやインターネットによる広がりが、自分のアーティスト活動やオタマトーンの面白さを増幅してくれています

答えになりにくいものほど記憶に残る

三者三様とも言える、それぞれの創作活動は独創的で、他の人が思いつかなかったアイデアに溢れています。総合的な「食」を表現のジャルで考える諏訪氏、アキバの文化の感覚を、自己表現に昇華した秋山氏、オモチャでも楽器でもないモノづくり発想で誕生した土佐氏の「オタマトーン」は、製品としての仕上げに2年の月日を費やしているとか。よくみるとオタマトーンの細部は、最新テクノロジーの塊といえ、実現には多くの特許も取得したそうです。

土佐●インターネットが普及し、ソーシャルメディアが受け入れられたことで、一般的に自分を表現する場や、土壌ができてきたことはいいのですが、ソーシャルメディアの評価ボタンにある『プラス』や『いいね!』の数だけではアーティストとしての力量は計れません。アーティストにとって重要な要素はクエスチョン。そのクエスチョンを伝えるためのデザインを、アーティストはもっと学ばなければいけないと思います

諏訪●小さい頃から、それまで見たことのないものはきっと素晴らしいと思ってきました。まだ答えは見つかっていないけど、その探究は今も続いています。答えになりにくいものほど人の記憶に残ると思うので

秋山●自分の周りには、ものすごく生の人間力を持った人が多いと思います。ソーシャルやインターネットのいいところはもちろんあるけど、生の人が持つレアな感覚は重要だと思います。

三人それぞれに共通するのは、人の真似ではなく、興味があることへの探究心とそれを継続する胆力かもしれません。
イート金沢のようなこうしたセミナーは、インターネットの中継でも、アーカイブでも見れるわけですが、やはり生に本人が語るところを見て生の声を現場体験することが、秋山氏のいうレアな感覚での体験につながるかもしれません。
(文責 事務局)

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