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セミナーC
Internet「インターネット表現とビジネスの可能性」

伊藤穣一(デジタルガレージ代表取締役)
千葉麗子(チェリーベイブ代表取締役)
篠田陽一(北陸先端科学技術大学院大学助教授)

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■SeminarC

千葉麗子氏

篠田:インターネット表現とビジネスの可能性について、何をお話しさせていただくかということですが、最初に千葉麗子さん、そして伊藤穣一さんに主にインターネット上の表現について話していただいてから、私がまとめます。

●千葉:全国各地で、中小企業の社長さんや商工会議所・青年会議所といった方の前で話すことが多いのですが、ここにいる方は、インターネットという言葉はご理解いただいているという前提でお話しさせていただきます。 私の場合は、自分がたまたま興味を持っていたのが、インターネットやマルチメディアだったことがきっかけになったんですが、アドバイザーやプロデュースを手掛けています。 実際のリアルな世界だけでなく、すでにインターネット上でも、サイバーモールやサイバービジネスパークがあってビジネスができるようになっています。 私がホームページがおもしろいと思ったのは、誰でも見に来て(来店して)くれるということです。これまでのように、一等地に大きなビルがあってということじゃなくても、小さな個人商店や中小企業にも、アイデア次第、感性次第で大きなビジネスチャンスがあるわけです。 インターネットは何と言っても時間、距離の制約からの解除ということが大きなメリットだと思います。これからのインターネット上の新規ビジネスチャンスとして、次のようなジャンルがあります。
●コンテンツホームページ制作
●ネットワーク・マーケティング
●ネットワーク・アドバタイジング
●ゲーム開発
●リクルーティング
●ネットワーク・エデュケーション
●情報サーチ
私はやはりゲーム開発に興味があります。

私が現時点で感ずるインターネットの問題は、
●とりあえず買ってみたけど、何していいのか分からない人が多い
●パソコンを買うくらいなら、洋服を買った方がいい
●近くのコンビニやスポーツ用品店などで情報を得るので、インターネットなどなくてもよい
などといった意見の人です。 その他に問題だなと思うのは、インターネットはやはり英語が多いので、せっかくURLを知っていても何が書いてあるかわからないことが多いので困ることです。 後は、料金が高いということ。 私は女性なので、やはり女性だけの問題、セクハラなどのメールについても闘っていかないといけない思います。 実際にインターネットでは、自分のホームページを作るのが楽しみだったのですが、今はネットワークを使ってコミュニケーションすることに楽しみを感じています。 伊藤さんは、富ヶ谷ネットサーファーチームという700人くらいのメーリングリストを運営していて、そこでしか話せないことをグループ内で活かしています。

●篠田:自分でホームページを作ることから、人とのコミュニケーションの方にインターネット上に興味が移ったのはなぜでしょう?

●千葉:情報発信に飽きてしまったのかもしれないけれど、誰しも自分の本当の姿をみせていないと思うんですけど、人にあまり面 と向かって言えないこともクローズドのメーリングリストだと話せるような気がします。人によっては自分を全部出せる人もいますけど、まだ女性に対してセクハラがある段階では、オープンにできないなあって思っています。


伊藤穣一氏

●伊藤:インターネットの場合は、本人が嫌なら、アクセスしなければよいわけですから。 見た人の責任ですね。法律や規制といった全体でルールを作るよりも、それぞれ違う文化を持つのがインターネットのいいところだと思います。

●篠田:それでは、ジョーイ(伊藤氏の愛称)に技術的な話も含めて話してもらいましょう。

●伊藤:ボーダレスとよく言われますが、とにかく接続すればいろんなことが入ったり、出たりできるわけですが、「ボーダ」(国家だったり、企業だったり)があるからこそ成り立つものであるわけですが、ボーダがあったからこそいろいろなポイントの接点を考えていかないといけないと思った。 ダイナミックルーティンという概念は、インターネットの特徴です。パケット通 信によって最短の回路を結び情報を送受信できるわけですね。 今後のこの中間をとばして最短距離を結ぶという発想は流通 や総務といった中間産業が見直しをせまられるきっかけになるかもしれません。インターネットビジネスは、これからはクリエイターの時代になると思います。 今回のこのイベント「eAT '97」のように、クリエイターの創造性を活性化するというのが重要になってきています。これまでのような利権型のビジネスはどんど減っていくだろうと思います。 ただ、インターネットの場合はやはり今後はセキュリティが問題になるでしょう。今後は認証など、いろいろと議論すべき問題があります。 電子メールというのは、自分たち以外でも見られてしまうので、もっと自分自身のこととしてセキュリティを考えないといけないでしょう。
 
●篠田:もっと具体的に分かりやすく言っていただけませんか?

●伊藤:メールを送ったり、カードで決済したりするということは、情報をつくるということですから、もっと個人のプライバシーに関しては真剣に考えないといけないでしょう。 デジタルキャッシュの問題や暗号化などに関しては、民間や政府がどんどん開発していくと思います。それは、自分たちの商品商売につながるわけですから。
(デジタルキャッシュの実演)
インターネットや多チャンネルの可能性というのは、これまでだとみんながMTVになってしまったものが、もっと細分化され、好みにフィットした情報を流せるようになりますから。つまり、ヒットを狙わなくてよくなります。 これまでのコンテンツ創りは、多くの組織率を狙う結果、丸くなっておもしろくないということになりがちでした。今の日本はマスメディアの影響が強すぎて、テレビが一本のイメージになってしまっていますから、おもしろくないのではないでしょうか?もっと多様なイメージに分散した方が安全かもしれません。


篠田陽一氏(左)

●篠田:確かにどうしても選択して一部を拡大してマスコミが伝える傾向があるので、例えば、ファッションなども情報としてデフォルメされると、地方のファッションストリートの方が影響を受けやすいわけです。原宿ほどの多様性がないのです。
 
●伊藤:教育がこれまで、製造業を念頭においてチャレンジしてきたから、多様性の価値ではなくて同じものを選択してしまうのではないですか?

●篠田:インターネットで何ができるかについてお話しさせていただきます。 インターネットはコミュニケーションによる第3の革命であると言われています。 最初の革命は電話でした。 距離のある相手に話せるようになったわけです。 次が、ファクシミリで、相手がいなくなっても送れる、即時性に加えて蓄積性があるわけですね。
それがインターネットになって、
●即時性
●マルチメディア性
●蓄積、再生産、再加工
●同報性(1対1だけじゃなく、1対Nの実現)
●会話性
インターネットの表現では、時間とともに変化していく「プロアクティブ」「リアクティブ」「インタラクティブ」という概念もあります。 超未来のアートを考えた場合、私は思考の速度で「表現」できたらよいなと思います。 人間は3秒ほどの夢を見て3日分のでき事を伝達できるわけですから。 「夢」を見るスピードで「表現」を伝達できたら、おもしろいのではないかと思います。 ある科学者が地球上の地震の位置と時間と大きさを地球にわき上げるブクブクしたアワで表現したCG作品「ブルージアス」という作品を最後にご紹介しましょう。

 
(セミナーでの発言から一部を抜粋して掲載しています)
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